奈良生まれの自家焙煎スペシャルティコーヒーのお店、
ロクメイコーヒー。
新しい出会いを通じて
地域の魅力と成長する姿を発信【大和嬢造】
奈良生まれの自家焙煎スペシャルティコーヒーのお店、ロクメイコーヒー。
今回は奈良に店舗を構える、ロクメイコーヒーさんを訪問して
インタビューやお店づくり、感性のお話などをお伺いしました。
共感できる話やお店のこだわりなど、色々と聞くことができました。
Q.なぜ奈良にお店を構えようと思ったのですか?
場所のこだわりは、もともと父が喫茶店をやっていた場所が奈良だったので当初はこだわりはありませんでした。
父が1974年に近鉄奈良駅付近に喫茶店をスタートし、2010年くらいまでは奈良で営業していました。
その後、自家焙煎を始め、富雄の店舗が完成したという感じです。
奈良はシルクロードの終着で日本としては始まりの場所というような捉え方ができ、自分たちも全国や世界に発信していけるようなコーヒー屋さんになっていきたいと思い、奈良を起点にお店をやっています。
Q.ロクメイコーヒーはいつからあるのですか?
ロクメイという名前になったのは2015年になります。
以前は父から受け継いだROCOCOという名前で喫茶店を営業していましたが、これから先、様々な情報を発信していく時に自分たちの新しいブランドが必要だと感じていました。
ROCOCOという名前は、想いやアイデンティティを上手く説明できなかったので、新しいブランドを作っていくためにロクメイという名前を考えました。
ロクメイは漢字で「鹿が鳴く」と書くのですが、中国の古事で鹿がよもぎを楽しそうに食べている絵が描かれていて、そこに鹿が鳴いて仲間を呼び集めるというシーンがあり、奈良の「鹿」と「鹿鳴」という言葉を掛け合わせて「ロクメイコーヒー」と命名しました。
コーヒーの情報を発信したり、自分たちが良いものを届けていくことで、奈良にお客様や仲間がどんどん集まってくるような力を持ったコーヒー屋さんになりたいと思っています。
Q.2店舗ありますが各店舗の特徴などありますか?
近鉄奈良駅のお店はカフェがメインで店内でコーヒーを飲んでいかれる方が多いですけど、
富雄のお店は豆を購入して頂いて、家庭でも美味しいコーヒーを楽しんで飲んでもらいたいという考えです。
お客様の層は2店舗とも幅広くご来店頂いていますが、富雄のお店には観光客はほとんど来ません。
車で移動される地元の方がメインで、京都や大阪から来て頂いているお客様もいます。
Q.カフェとしての空間で何か意識されていることはありますか?
基本的にはシンプルになるよう意識しています。
その上で近鉄奈良駅のお店は、奈良に来たという感じも出したかったので少し和モダンを意識しています。
あとは清潔感です。シンプルでお店に居て気持ち良い、開放感のある空間を作っていただきました。
Q.コーヒーを通じてどんなことを感じてほしいですか?
ぼくたちはコーヒーを飲むことによって気持ちが落ち着いたり、午後からまた仕事をがんばろうと思える1杯になればいいなと思っているので、気持ちの部分を意識しています。
コーヒーの効能や効果は諸説あるのでロクメイコーヒーでは強く押していません。
それよりもお店でコーヒーを飲んでもらったり、お家や職場で飲んでもらった時にちょっと落ち着くなど、気持ちの体験を感じて欲しいです。
Q.コーヒーのこだわりや大切にしていることは何ですか?
ロクメイコーヒーではスペシャルティコーヒーに特化していますが、自分たちの味づくりで、すごく大切にしていることは、雑味のない「クリーンさ」と「甘さ」、口の中に入れた時の質感を大事にしています。
コーヒーと言っても、コンビニコーヒーなど様々なものが存在します。コーヒーは嗜好品で最終的にはその人の好みで判断するものだと思っています。
自分たちは国際的な機関の評価基準から見て、このコーヒーは良いコーヒーだと判断するのですが、それを伝えても好みと違ったら美味しくないと思う人もいると思います。
自分たちの目指している味があり、それをどう感じて頂けるかを大切にしています。
「クリーンさ」や「甘さ」という部分を重視してコーヒーづくりを行っています。
コーヒーが苦手という人が飲んだ時に「このコーヒーならブラックでも飲める」と言ってもらえて、そこからコーヒーにハマっていく方も非常に多いです。
「クリーンさ」や「甘さ」をしっかりと出せるような焙煎をすると、豆が本来持っているフルーツのフレーバーを感じやすくなります。そして「別の飲み物みたい」という気づきを共感してもらえた時に、自分たちのコーヒーのファンになっていただけることも多いです。
あとはフレーバーです。
ずっと私たちのコーヒーを飲んでいただいている方は、よく「他の店ではコーヒーが飲めなくなった」と言ってもらえます。
それはロクメイコーヒーの味に慣れて、コーヒーの「クリーンさ」や本来持っている「甘さ」が蓄積され、自分の中で本当に美味しいコーヒーになっていくからです。
あまり残したくないのは「渋み」と「雑味」です。
飲んだとき、最後に甘い印象を持っていただきたいです。
酸味があっても苦味があっても、両方とも豆の個性や焙煎の仕方によって出来上がるものですが、酸っぱくても苦くても最後に甘い印象で終わってくれると飲んだ気持ち良さがずっと残ります。
酸味が強くても苦味が強くても、それだけが残っていると飲み終わったあとに、お水が飲みたくなるようなコーヒーになってしまうので、それだけは避けたいです。
良いコーヒーは飲んだあと、口の中に良い余韻が残るコーヒーだと思っています。
Q.個性の出し方について教えてください。
生産地でやっていることに、ぼくたちは手を加えられません。
ですので、今年のコーヒーはこうで、もっとこうゆうフレーバーがあったら良いというフィードバックをしています。
自分たちでは生産の部分には携われないので、豆選びから日本でできる個性の出し方として、まずは焙煎があります。
あとはブレンドで新しい配合を作ったり、お店としての味を作っていくところなので、そこが焙煎を行っているコーヒー屋さんの個性を出すひとつの部分になります。
できる限り、良い豆を選び、良い状態で味を引き出すということを行いますが、この引き出し方は会社の方針によってまったく変わると思います。
Q.ロクメイコーヒーとしての想いやメッセージなど何かありますか?
ぼくたちは幸せの輪を広げるというミッションを会社として持っています。そのミッションがあるからスペシャルティコーヒーをずっと提供しています。スペシャルティコーヒーは「サスティナビリティ」と「トレサビリティ」が明確です。SDGsがまさにそうですが、品質の良いコーヒーを作っている生産者に、正当なフィーを還元できるようなコーヒーだと思っています。
自分自身も産地に行って状況を見ていますが、まだまだ教育を受けられない子供たちもいますし、生産地のピッカーさんは裕福になれていない職業です。
今までのコーヒーはしっかりと生産地までお金を届けることができていなかったのですが、スペシャルティコーヒーに関しては市場と違うところで取引をするので、良いものを作ったところに良いものが集まる、日本でスペシャルティコーヒーを飲んでもらい、しっかりと消費することで生産地の方にお金が回り、継続的に良いものが作れるという循環になっているので、ぼくたちはその循環の中にいたいと思います。
お客様は美味しいコーヒーを飲んでハッピーになってもらい、その消費があることで生産地の環境が整備されてハッピーになる人が増えることが理想です。
このスペシャルティコーヒーという輪をぼくたちの事業として広げていくことが1番の目的ですが、このことを押し付けずに、自然に消費が生まれることが継続に繋がっていくのではないかと思っています。
ROKUMEI COFFEE CO.
焙煎技術の日本一を決めるジャパンロースティングチャンピオンシップ2018年優勝の焙煎人がこだわりぬいたスペシャルティーコーヒーをご提供しております。
焙煎工場を併設した店舗では、珈琲とともに上質な時間をお楽しみいただけます。
TOMIO ROASTERY
奈良県奈良市三碓7丁目29-1
TEL:0742-93-5544
10:00~18:00(定休日 火曜日)
ROKUMEI COFFEE CO. NARA
奈良県奈良市西御門町31
TEL:0742-23-4075
9:00~18:00(定休日 火曜日)